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2023/02/15 09:22

服のデザイン


yocchiで展開しているブランドは現在2つあります。

大人の女性をターゲットとした「yocchi」
少女をターゲットとした「millekappi」

どちらもホームソーイングの洋服を想定したデザインに仕上げています。

デザイナーはどちらも私ですが、
自分の好きな服を、ただ服としてデザインしているわけではありません。

「yocchi」「millekappi」それぞれの世界観のエッセンスを加えた日常着として
思わず作りたくなるような服を、たくさんイメージが湧いていくるような服を
そしてたくさん着たくなるようなデザインを心がけています。

いつものファッションデザイナーとして仕事のように、
服として販売する洋服のデザインとは違うアプローチをとっています。


デザインは芸術ではなく「誰か」に「喜んでもらう」ためにあるものだと
そう思っていつも仕事をしています。


使うための「誰か」
買う「誰か」
売る「誰か」

その誰かが

「使いやすかった」
「買って良かった」
そう思って満足してもらえるとき

デザインは生まれてきた意味を持つのではないかと思っています。

「良かった」と思う理由には種類がたくさんあると思っていて

「可愛い」
「着心地がいい」
「機能的」

「便利だった」
「助かった」
「売れた」

など、他の理由かもしれません。

それはどんなアイテムをデザインしているかによって変わるでしょうし、
誰がターゲットかによっても、何を目指すかによっても
目指すべき最終点は違ってくるものだと思います。

ただいつも心がけているのは、デザインは独りよがりであってはならず
服は芸術品ではないということです。

人が着て初めて「服」

コレクションのようなアートのためのデザインと、
実用的なものの目指すデザインは目的も違ってきます。

目的を加味して、ブランドのフィルターを通すこと。
それは自分のためではなく、必要としてくれている人の笑顔を想像して。

自分が好きな服を作って着るのであれば、自由に楽しめばいいのですが、
「誰か」に「喜んでもらう」ことを目的とするならば、
同じデザインソースでも最終形態は変わってくるのではないかと思っています。

yocchiとmillekappiではそれぞれミューズが違います。

それぞれの皆さんが「作って良かった」と思ってもらえるもの。
「使って嬉しかった」と感じてもらえるもの。

服のデザインはただ絵に描いた見た目の部分だけではなく、
機能面やシルエット、生地や色、
どんな場面の誰がどう着るのかも関係してきます。

全てを含んで「デザイン」

喜んでもらえる姿を想像してデザインしています。


こだわってる点


服のデザインは「シルエット」
見た目のデコレーションはもちろんですが、大きなシルエットが
まずはデザインだと思います。

それを構築できる生地を選ぶこともとても大切です。

パターンでは数ミリ単位の寸法やラインにこだわり
何度も試作を繰り返しています。

各ジャンルの長年のプロの方にご協力いただき、具現化しています。

「何となく可愛い気がする」というのは最高の褒め言葉です。

「ここが可愛い」というのももちろん嬉しいのですが、
「何となく」は目に見えない多くのこだわりが織り成す仕上がりだからです。

デザインは細部に宿る…とはよく聞きますが、
細かな点へのこだわりが「ありそうでなかった」と「馴染むのに新しいもの」
そんな風に側に居られるものになるのではないかと考えています。

市販の服のような仕上がりを目指し、達成感を感じられるものでありたい。
そのためには「縫いやすい」「具現化しやすい」というのも大切なポイントだと
考えています。



色々なアイテムと合わせやすい汎用性のあるデザインをベースに
ハンドメイドだからこそできるアレンジをたくさん楽しめるデザインであること。

着ていて嬉しい気持ちになるような、スタイルよく見えるシルエットであること。

難しい仕立てじゃなくても「簡単に素敵なものは作れる」

お気に入りが見つかったら、生地を変えてアレンジして何度でも
作れるのもハンドメイドの嬉しいところ、楽しいところだと思うからです。


私がデザイナーとしていつも考えていることは、
「その人を生かす脇役となる服」であることです。

服自体に着たいと思う魅力があるのはもちろん
でも服自体が主役になるものではなく
あくまでも着る人を引き立てる存在であること。
着心地がよく毎日着たくなる服であること。

それをブランドのフィルターを通して表現したいと考えています。

そしてできれば、たくさんアレンジしてもらえたらとても嬉しいです。

私の提案はあくまでも一例にすぎません。
この通りに作って欲しい、という気持ちも全くありません。

一つのたたき台として、イメージのベースとしてご提案をしていますが、
デザインを創造のベースに、たくさんのアレンジや色々な表現に出会えたら、
デザインを繋いで、多くの人の色に染まっていければ
そして多くの方の側にある日常着となれたら。

こんなに嬉しいことはないと思いデザインしています。