娘たちの普段着のお買い物は、少し憂鬱な義務のようなものでした。
娘たちの意見や着替えなどの機能面も考慮しなければいけないからです。
かといって、子供はサイズが変わっていくので、買わないわけにはいきません。
イメージ通りのものを見つけるのも難しく、買い物といえばお互い憂鬱になる…
そんな感じでした。
そんなある日、娘が数年前に作った手作りの服を着ようとしていました。
サイズは十分に入るものだったのですが、なんだかとても似合わない!
そして、サイズ感もあっていない!
数年前はすごく似合っていたのに、
見た目はそんなに大きくなっていないのに、と
ほんの少しの間に随分成長していることに驚きました。
もう一点驚いたのが、まだ手作りの服を着たいと思ってくれているんだと
いうことでした。
幼少期は喜んで着てくれていましたが、今でも自分から着たいと
手を伸ばしてくれたことをとても嬉しく感じました。
娘に一度確認したところ「お母さんの手作り服はもちろん着たい」とのこと。
小学生だし成長したから嫌かなと私は勝手に決めつけてしまっていました。
その上で「でもこれまでみたいな、可愛い系よりちょっとかっこいいような」
「体育の時にも着替えやすいのにして欲しいな」ということでした。
押し付けることはしたくなかったので、
着たいと言われて素直にとても嬉しく感じました。
ああ、娘たちのために、同じような年頃の子供達のためにデザインしたいなと
そこから服のサイズ、体型、デザイン、色々気になって研究しました。
そこで消費者としての、もっとこんなのが欲しいな、という気持ちと
作り手として、こんなものを作りたいという気持ちが湧いてきました。
娘という固定概念を外して客観的に見てみると、心も体も成長し、
似合う服が変わってくるのは当たり前の時期でした。
子供服の幅はとても広く、60~160と年齢も体型も様々です。
子供服だからと言って同じデザインが似合うはずもなく、
体型を気にするようになってきた少女たちには、
むしろ大人服で経験してきたことが活かせるのではないかと考えました。
その上で「大人すぎない子供らしさ」を残すデザインにしていくこと。
その範囲が私にとってはmillekappiであり、サイズにすると130~150でした。
デザインによって、120も可愛いだろうな、というものは展開しています。
娘たちは「なんかいいね!これ好き!」と言って
millekappiの服をたくさん着てくれています。