洗濯・素材・型紙などについて

2023/02/15 01:37


ミルカッピは小学生の女の子に向けたホームソーイングで作る洋服のブランドです。

少しずつ大人の女性へと成長していくこの年頃の女の子たちは

幼さを残しつつも、幼児の頃とは似合う服のデザインもサイズも少しずつ変わっていきます。

子供っぽいものは少し似合わなくなり、大人っぽいものもまだ少し早い。

自分の「好き」も見つかってくる時期かもしれません。

《子どもらしさを残しつつ、心と身体が成長するこの年代の少女たちにだからこそ似合う服》

そんな子供たちに向けてmillekappiはスタートしました。

millekappiのミューズ


millekappiは二人の娘たちが幼い頃に初めて自分で作ったお人形が
名前の由来となっています。

子どもたちが描いたウサギと猫のイラストそのままに型紙を起こし、
小さな手でゆっくりチクチク縫い上げていきました。

左右対称じゃなく拙さの残るお人形は、紙から出てきたそのままの姿で
とても愛らしい唯一の存在、ずっと近くにいる存在となりました。

手作りだからこそできるもの、そんな素敵なもの。

大きくなった今もミルとカッピはあの頃の娘たちの象徴であり、
少女時代の娘たちに着せたいと思う服のデザインソースであり続けます。

娘たちはいずれ大人の女性となっていくけれど、
私がミルカッピの世界に入りデザインを考えていくとき
ミューズはいつも二人の女の子と側にいるミルとカッピ。

あの頃の二人とミルカッピに、またいつでも会える、
そう嬉しく思ってデザインしています。



子どもたちが「着たい」と思う服を目指して


小学生の子供たちは、とてもよく動きます。
学校に行くので、毎日お出かけ着ばかりも着ていられません。

下着が見えないかな、太って見えないかな…
体育があったかな、ティッシュ持ったかな…

着心地の良さ、着替えのしやすさ、機能面もとても大切です。

着心地が悪くても、かっこいいから我慢する!というのは少し難しいもの。
色々なことを考えて、毎日のお洋服を選んでいきます

そんな子どもたちが「着たい」と思ってくれる服
そして、作る人が「作りたい」と思うデザイン

その二人が、アレンジを楽しめる服、楽しく考える時間を共有できる洋服

「次はこんな風にしてみようかな」
「こんなのも作って欲しいな」と

普段着にもお出かけ着にもアレンジできるデザインを考えました。


教室のレッスンでよくお聞きするのが
「昔、母が服を作ってくれて…」というお話です。
嬉しかった思い出としてお聞きするたび、私も温かい気持ちになります。


子供たちは、嬉しそうに、ちょっと誇らしそうに
手作りのお洋服を着て出かけて行きます。

市販品のように完璧ではないかもしれない、
何度か洗うと型崩れするかもしれない、
時々ほつれるかもしれない

それでもハンドメイドしかない良さが、幸せな充足感がそこにはある

ほつれれば直せばいいし、市販品でも型崩れはします
多少曲がっても着ていればわからないし、商品ではありません。

私がホームソーイングで大切に考えているのは「楽しい」ことです。

それは「達成感」「想像する時間」だと思っています。

デザインを繋いでいける楽しさを
一緒の時を過ごす楽しさを
生地の持つ可能性と創造するワクワク感を

そんなことを感じられるベースとなればとても嬉しく思います。

過ぎて行くかけがえなのない日々の生活と思い出の中に
そっと寄り添い彩りを添えるようなブランドとなれたら

そんな想いでmillekappiをスタートしました。



*後書き・millekappiの本音*

娘たちの普段着のお買い物は、少し憂鬱な義務のようなものでした。
娘たちの意見や着替えなどの機能面も考慮しなければいけないからです。

かといって、子供はサイズが変わっていくので、買わないわけにはいきません。
イメージ通りのものを見つけるのも難しく、買い物といえばお互い憂鬱になる…
そんな感じでした。

そんなある日、娘が数年前に作った手作りの服を着ようとしていました。
サイズは十分に入るものだったのですが、なんだかとても似合わない!
そして、サイズ感もあっていない!

数年前はすごく似合っていたのに、
見た目はそんなに大きくなっていないのに、と
ほんの少しの間に随分成長していることに驚きました。

もう一点驚いたのが、まだ手作りの服を着たいと思ってくれているんだと
いうことでした。

幼少期は喜んで着てくれていましたが、今でも自分から着たいと
手を伸ばしてくれたことをとても嬉しく感じました。

娘に一度確認したところ「お母さんの手作り服はもちろん着たい」とのこと。
小学生だし成長したから嫌かなと私は勝手に決めつけてしまっていました。

その上で「でもこれまでみたいな、可愛い系よりちょっとかっこいいような」
「体育の時にも着替えやすいのにして欲しいな」ということでした。

押し付けることはしたくなかったので、
着たいと言われて素直にとても嬉しく感じました。

ああ、娘たちのために、同じような年頃の子供達のためにデザインしたいなと

そこから服のサイズ、体型、デザイン、色々気になって研究しました。

そこで消費者としての、もっとこんなのが欲しいな、という気持ちと
作り手として、こんなものを作りたいという気持ちが湧いてきました。


娘という固定概念を外して客観的に見てみると、心も体も成長し、
似合う服が変わってくるのは当たり前の時期でした。

子供服の幅はとても広く、60~160と年齢も体型も様々です。

子供服だからと言って同じデザインが似合うはずもなく、
体型を気にするようになってきた少女たちには、
むしろ大人服で経験してきたことが活かせるのではないかと考えました。

その上で「大人すぎない子供らしさ」を残すデザインにしていくこと。

その範囲が私にとってはmillekappiであり、サイズにすると130~150でした。
デザインによって、120も可愛いだろうな、というものは展開しています。

娘たちは「なんかいいね!これ好き!」と言って
millekappiの服をたくさん着てくれています。

millekappiが似合うのもきっとあと数年
次はどんな服が似合うようになるのかな

子供達の「これあしたも着たい!洗っておいて」を聞く度に
また同じ服で行くのか…と思いながらも、内心とても嬉しく感じています。

お気に入りの服を、次はどんな生地で作ろうか、
季節を変えて、少しアレンジしてみようか
ちょっとデザイン変えてみる?

娘たちにデザイン画を描いてもらったり
生地を選んでもらったり

その時に、子供の言う通りをそのまま作るのではなく、
(娘たちは突拍子も無いデザインや生地を選ぶことも多い!)
自分自身が「作りたい」と思えることも大切にしています。

意見が合わない時は一旦保留

作る方も楽しくなくては義務になってしまうからです。

そんなことを考える時間も、描いた絵も
ハンドメイドならではのとても幸せな時間だなと感じています。



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