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2023/03/02 15:15

yocchi sewing studioのこと


みなさまのおかげで教室も4年目に入り、日々楽しくレッスンさせて頂いています。
教室では私がみなさまから学ぶこともとても多く、
どんどんひらめくアイディアを聞くたび、自分にはない発想に出会うたび
楽しい時間と刺激を頂いています。

yocchi sewing studioは名前の通り「yocchiで教室をするなら」とスタートした教室です。

classやschoolではなくstudioとしたのは、
「私が一方的に教えることをメインとした学校」のような場ではなく、
「一緒にソーイングを楽しむ仕事場やアトリエのような空間」にしたいとの思いからです。

yocchiの活動全体を通して一貫している
「簡単に素敵なものは作れる」
「ソーイングの楽しさを広めたい」ということをコンセプトに、
お越しくださる一人一人の方を大切に、それぞれのペースで進めていくことを一番に考えています。

そして、できれば初めての方、ソーイングはちょっと苦手だなという方にも
ぜひお越し頂きたいと思っています。

物事には好き嫌いはあると思いますが、
本当はやってみたいけど従来の教室や方法で苦手と感じたのなら、
それ以外にもソーイングを楽しむ方法はあるんだということを伝えたい考えているからです。

「ホームソーイングは決して難しい方法だけではない」
「ソーイングの仲間がほしい」
ということも教室を始めたきっかけでした。

自分の好きを共感したいという、単純な気持ちからスタートしたのかもしれません。

「好き」を共有したい・自分のために、誰かのために心を込めて楽しくつくる場所


ソーイング好きというのは、布屋さんに何時間でもいられるね、とみなさまともよく話をしますが、
家族や友人には呆れられるほど何時間でも楽しく過ごすことができます。
ワクワクして、溢れるイメージを形にするのに時間がいくらあっても足りないくらいです。

小さい時から私の周りにはそんな友人はいませんでした。
布屋さんに行き、楽しそうにご友人と買い物をしているマダムたちを見るたびに
楽しそうでいいなと、いつも思っていました。

今、教室でみなさんから色々な布や情報を聞くたび、自分の見つけたものをお知らせする時、
とても楽しくて幸せだなと感じています。

教室にいつもお越しくださるみなさまは、暖かくて優しい方ばかり。

人生の先輩方も多く、様々なご経験を聞くことも楽しくて、
私はとても恵まれているなといつも感謝の気持ちでいっぱいです。

そんなみなさまに対して、少しでもお役に立てるような提案をすることが
自分の教室での役割であり、やりたいことでもあります。

身近な人や自分のために、喜んでもらったり、作る時間を楽しんだり
作りあげる達成感を感じる、そんな暖かく楽しいことだけに重点を置く
そんなソーイング。

そんな暖かい場所でありたいと日々活動しています。

ソーイングと料理


同じ材料を使っても、プロの料理人と自分では同じ仕上がりになるはずはありません。
なんでかな…言われた通りにしたのにな‥と思っても、それは仕方のないことです。

ずっと毎日技術を磨き続けてきた方と見よう見まねで同じにできる訳はなく、
ちょっとした手の動きは見て聞いてすぐに真似できるものでもありません。

ソーイングも似たようなものだと思っています。

同じ型紙と生地でも、市販品と同じように急に縫えるわけはありません。

ちょっとした手の加減でぐんと見栄えの変わる縫製技術、
ライン一つの影響力と見極め、具現化の力
適応力と多くの知識

これまで、たくさんのプロの仕事を近くで見てきましたが、
出会うたびに感動し興奮し、憧れて練習してはうまくいかず、
できない自分に落ち込んでは練習し、学び…その繰り返し。
それは今でも変わりません。

色々な縫い方を知っていることが技術なのではなく、
それをきちんと使えることが技術なのだと、
そしてそれは経験がないと100%同じにはできるはずもなく
同じような時間と努力を重ねずに、すぐに到達できるはずもないと気づきました。


料理で考えると当たり前のことなのに、ソーイングだと考えにくいのが不思議なものです。
市販品のような縫製を、同じ生地、同じ型紙であれば作れそうに感じるからです。

目指す教室は家庭料理の教室

料理教室には様々な目的の場所があり、その目的も様々です。
よりプロのような料理を目指す教室、学校のような教室、主婦の方の教室など
自分が目指すものに合わせて選ぶ楽しみがあります。

ソーイングも同じように、色々な選択肢があっていいのではと考えました。

例えば、プロの料理人を目指して修行することと、
美味しい料理を作れるよう料理教室に通うことが違うように、
プロを目指すソーイングの道と、ホームソーイングを楽しむ道は違うものなんじゃないかと。

プロを目指すならやはり学校がオススメです。プロになるカリキュラムと実績があります。
イタリアン、和食、パン…というような得意分野を考えて選ぶのもいいかもしれません。
縫製を学びたいなら縫製出身の先生、パターンならパタンナーの先生…というように、
それぞれ目的に合わせて教室を選ぶことが、学びたいこと、したいことへの近道だと思います。

なんでもOK!はとても素晴らしい事ですが、オールマイティとは中々難しい事です。
レストランで考えるとわかりやすいかなと思います。

そこで私は自分ができる教室を、得意な事、やらない事、やりたい事と分けて考えてみました。

家庭料理にはそれぞれの味があっていい、基本はあるけれど正解はあるようでなく
自分が気に入って楽しめればいいのだと思っています。
       
基本の作り方があり、それを知ってアレンジする。
その楽しみがあればいいと。

難しさ=素敵さ ではなく
良い仕立て=良い服 という単純構造でもない

それは作り手側の考えではありますが、
使う方が決めることであり、絶対ではないと

楽しく作れること
着て、使って嬉しいこと

私は、そんな家庭料理のようなホームソーイングを提案したいと思いました。

苦手…の種類を取り除きたい

学校は好きでしたが、「これ以外間違い」という高圧的な業界の方があまり得意ではなく、
難しさ=素敵さ、良い仕立て=良い服 という構造もあまり好きではありませんでした。

なぜなら表現するために選ぶべき手段が、目的となっていると感じていたからです。

どれを選んでもいいはずのホームソーイングで、洋裁という全枠を学ぶことがセオリーになっていることも、
難しい技術習得がメインとなっていることも、楽しい時間に怒られることも、学校じゃないのに…と
楽しみ<大変さ、難しさ
この構図が苦手でした。

もちろん、広く全体を知ることはとても大事なことですし、プロを目指すなら必要なことだと思います。

でも、好きなものを楽しく作るホームソーイングなら??

今これを作りたい」ということへ遠回りになっているのではないか。
それが「洋裁って面倒」と思う人が多い原因なのではないか。
プロになるわけじゃないなら、他の手法でもいいのではないか。
違う仕立てで作ってももいいのではないか。

私はソーイングが大好きですが、仕事外では面倒なことはあまり好きではありません。
難しい仕立てではなく似たような表現できればそれがいいなと思いますし、
どんどん作ってたくさん楽しみたいと思っています。

そんな時に感じたのが、ホームソーイングを趣味で楽しんでいる時と、
仕事でソーイングに携わっている時の情報量、選択肢の違いです。

同じ「服作り」という世界の中で、あまりにも溝があり、その差を差だと感じられない構造がある。

ただ、プロとして仕上がりにはこだわりたいし、手作り感のあるものは好きではなく、
市販品のような見栄えとできた時のトキメキにこだわって作り上げたいと思っています。

そこで「ホームソーイングとプロの世界の橋渡しがしたい」と考えました。

自分自身の経験を大好きなソーイングに生かせたらとても幸せだと思いました。

デザインを数値化することでハンドメイドのベースとなる

さて、ものつくりにはイメージがスタートとなりますが、
服の場合には生地やデザイン、機能や体型など考慮しなければいけないことが多々あります。

そこで、私が業界で学んできたこと、デザイナーとしてできることを落とし込み、
みなさんにはそれをベースに自由に楽しんでもらう方法をスタートしました。
それがオリジナルパターンです。

そのために「デザインを数値で具現化する」
そこに力を入れて開発する。

デザインの仕事と違い、具体的な数値とすることに挑戦しています。

これは料理と同じような手法のようなイメージで、
レシピ通りに作ってみて、そこに好みを加えていく、そんな手法となります。

ゼロから調味料を検討するのは素人には気の遠くなる作業ですが、
レシピを元に作って、その上でアレンジするのはそれよりは簡単にできます。

そして、自分の好みにあった料理人の方が見つかれば、
その方のレシピをいつもベースにしていける。

そんな方法でデザインとアレンジを提案していけたらと思っています。

基本と丁寧な作業をいつでも大切にする

教室で大切にしているのは「基本」です。
これをしっかり押さえておくこと。
そして丁寧に作業することを一番大切にしています。

簡単な縫製で、どんどん作ってたくさん着る
あんまり細かなことは気にせず、楽しく作る
ただ、丁寧に作業して、仕上がりのよい服を目指す

そんなソーイングを目指しています。

細かな点を気にしたり、難しい縫製技術を駆使することが私自身は好きではなく、
教えるのも苦痛に感じるからです。

ただ丁寧な作業は美しい仕上がりには必須だと思います。

雑にしてきれいにならない…というのは当たり前のことです。

簡単=楽 ではない

ここで言う簡単とは「丁寧に縫えば技術関係なくできること」を差しています。

まっすぐ縫いばかりで簡単なのではなく、長年の技術がなくても頑張ればできる、という意味です。
たとえば「丁寧にアイロンをかける」「ずれないように重ねて縫う」というのは頑張ればなんとかなる、と。

楽に作りたい…という方には不向きです。

難しい仕立てはしておりませんが、丁寧に細かな点をきちんとは作っていきます。
そこを怠ると、やはりきれいな仕上がりは難しいと思います。

作り方があり、それを知ってアレンジする。
その楽しみと、表現の自由と、選択の幅の広がりを提案する。

難しさ=素敵さ ではなく
良い仕立て=良い服 という単純構造でもない

それは作り手側の考えではありますが、
使う方が決めることであり、絶対ではないということを知る。

楽しく作れること
着て、使って嬉しいこと
ワクワクすること暖かい気持ちになること
           
そのお手伝いにこれまでの経験を生かしたいと思い
一緒に楽しみたいと思い、教室を開講しています。

そして同じように、多くの方にレッスンするように伝えたいと思い
このSHOPをオープンしました。